南西諸島の天然水の起源と環境地球化学的特性についての画期的な論考。

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南西諸島は日本列島の南西部に弧状に分布し,その長さは,日本列島の3分の1を占めている。本書は南西諸島の天然水の起源と環境地球化学的特性について記述している。

内容は8章から構成され,1章では南西諸島の地質と気候,2章では石垣島の降水の同位体組成と特性,3章では同島の降水の化学組成,4章では南西諸島の地下水の同位体組成から分かる水の起源,5~6章では各島における地下水の水質形成,特に地質との関連性を考察している。そして,7章では水質形成における人間活動の影響について検証し,8章では2~7章までを結論としてまとめた。最後の資料編には,本研究で採取・分析した全試料のデータを収録した。

●目次

第1章 南西諸島の概要
1.1 南西諸島の地質
1.2 南西諸島の気候
第1章の引用文献

第2章 石垣島降水の同位体組成と水文特性
2.1 はじめに
2.2 環境水の同位体組成研究の背景
2.3 石垣島の降水の水素・酸素同位体比
2.4 石垣島の降水の水蒸気の起源
2.5 降水の安定同位体比への雨量効果
2.6 南西諸島の夏季および冬季降水のd値
2.7 まとめ
第2章の引用文献

第3章 石垣島降水の化学組成
3.1  はじめに
3.2  化学成分の挙動
3.2.1 降水の化学組成に及ぼす降雨量・風速の影響
3.2.2 降水中の非海塩性塩化物イオンの起源
3.2.3 化学成分の年間降下量に対する台風および季節風の影響
3.3 各種非海塩性成分の挙動
3.3.1 非海塩性Ca2+
3.3.2 降水中のNH4+-N
3.3.3 降水中のNO3--N
3.3.4 非海塩性硫酸イオン
3.3.5 降水のNO3-/nssSO42-比
3.4 降水のpH
コラム 酸性雨
3.5  まとめ
第3章の引用文献
第4章 南西諸島地下水の水素・酸素同位体組成
4.1  はじめに
4.2 地下水の水素・酸素同位体比
4.3 屋久島地下水の水素・酸素同位体比の高度効果
4.4 於茂登トンネル湧水,石垣島の降水および
  地下水の水素・酸素同位体比
4.5 地下水の起源
4.6 まとめ
第4章の引用文献

第5章 南西諸島地下水の化学組成
5.1  はじめに
5.2 海水・海塩粒子の影響
5.3 新期火山岩帯(中之島, 内帯)の地下水の水質
5.4 古期岩帯(中帯)の陸水の水質
5.4.1 屋久島および石垣島の陸水の水質に及ぼす花崗岩の影響
5.4.2 沖縄島北部の陸水の水質に及ぼす嘉陽層(砂岩)
および名護層(砂岩・千枚岩)の影響
5.4.3 石垣島陸水の水質に及ぼす片岩の影響
5.5 第三系帯(外帯)の陸水の水質
5.5.1 種子島地下水の水質に及ぼす熊毛層群泥岩の影響
5.5.2 沖縄島中南部および本部半島の湧水の水質に及ぼす堆積岩の影響
5.5.3 宮古島陸水の水質に及ぼす島尻層群泥岩の影響
5.5.4 波照間島陸水の水質に及ぼす島尻層群泥岩の影響
5.5.6 与那国島陸水の水質に及ぼす八重山層群の砂岩・頁岩の影響
5.6 まとめ
5.6.1 海水・海塩粒子の影響
5.6.2 新期火山岩帯(中之島, 内帯)の地下水の水質
5.6.3 古期岩帯(中帯)の陸水の水質
5.6.4 第三系帯(外帯)の陸水の水質
第5章の引用文献

第6章 炭酸塩の化学から見た石灰岩の働き
6.1 はじめに
6.2 沖縄島湧水の水質に及ぼす琉球石灰岩の働き
6.3 宮古島陸水の水質に及ぼす琉球石灰岩の働き
6.4 波照間島地下水の水質に及ぼす琉球石灰岩の働き
6.5 与那国島および石垣島の陸水の水質に及ぼす琉球石灰岩の働き
6.6 石垣島のフミダ川のトゥファ
6.6.1 トゥファ
6.6.2 湧水の湧出量およびフミダ川上流の流水量
6.6.3 湧水の水素・酸素同位体比
6.6.4 湧水の化学
6.6.5 河川水の化学
6.6.5 フミダ川における方解石(CaCO3)の沈殿
6.7 まとめ
6.7.1 水質に及ぼす琉球石灰岩の働き
6.7.2 石垣島のフミダ川のトゥファ
第6章の引用文献

第7章 水質形成に対する人間活動の影響
7.1 はじめに
7.2 化学肥料や生活排水などの影響
7.2.1 沖縄島湧水のNO3--N濃度
7.2.2 宮古島地下水のNO3--N濃度
7.2.3 波照間島地下水のNO3--NおよびSO42-濃度
7.2.4 与那国島および石垣島の陸水のNO3--NおよびSO42-濃度
7.2.5 種子島, 屋久島, 中之島および沖縄島北部の陸水のNO3--N濃度
7.2.6 SO42-濃度と水質形成
7.3 まとめ
第7章の引用文献

第8章 結論
資料編
あとがき
著者紹介

前書きなど

まえがき
南西諸島は日本列島の南西部に弧状に分布し,その長さは,日本列島の3分の1を占めている。本書は南西諸島の天然水の起源と環境地球化学的特性について記述している。南西諸島の自然環境を理解する上で少しでも役立てば幸いである。
内容は8章から構成され,1章では南西諸島の地質と気候,2章では石垣島の降水の同位体組成と特性,3章では同島の降水の化学組成,4章では南西諸島の地下水の同位体組成から分かる水の起源,5~6章では各島における地下水の水質形成,特に地質との関連性を考察している。そして,7章では水質形成における人間活動の影響について検証し,8章では2~7章までを結論としてまとめた。最後の資料編には,本研究で採取・分析した全試料のデータを収録した。執筆にあたっては多くの文献を引用させていただいた。厚く感謝申し上げる。

東田盛善(アガタセイゼン)

1954年 沖縄県八重山郡竹富町波照間島に生れる
1977年 琉球大学理工学部化学科卒業
1992年 富山大学科学教育研究室の課程修了
1999年 第20回(平成10年度)沖縄研究奨励賞受賞
2012年 理学博士(富山大学大学院理工学教育部)
2015年 沖縄県立八重山高等学校教諭 定年退職
 
所属学会
  日本地球化学会  日本地下水学会  日本洞窟学会
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南西諸島の天然水  海洋,気団,と質及び人間活動の影響
東田盛善
A5版ソフトカバー  218頁
1,800円+税
978-4-89982-284-4
投稿日
2015年10月7日
カテゴリ
沖縄の島々
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