ほんとーく

2014年10月24日

ほんとーく 池城かおり(第3回)

 

 

世田谷区の桜丘図書館は、私が宮古島以外で初めて出会ったトショカンです。進学のための引っ越し作業が少し落ち着いた頃、近所に区立図書館があると知って出かけたのでした。

 館内に足を踏み入れたときの衝撃といったら。それまでの人生で見たことない冊数の本、勉強をしている人たちでいっぱいのテーブル・・・・。瞬時にいろんなことが頭をかけめぐった後、言葉が口を衝いて出ました。「豊かさ、ってこういうことなんだ」

 

 

 今思えば、地域分館という比較的規模の小さな図書館に驚くってどんだけ田舎者よ、と苦笑いするしかありません。(後日でかけた中央図書館にまた驚いた、というのは想像に難くなく)

 

 

「豊かさ」との意味を、資本主義社会の価値観に照らした物質量の多寡におくつもりはなく、私が思いを巡らせたのは、その背後に感じられた精神性です。図書館はヒトの営みの副産物。勝手に生えるのではありません。作ろうと思った「誰か」、行動を起こした「誰か」の存在を、そのような「誰か」を育んだ地域の歴史、文化の土壌の豊穣さを想起したのです。それは翻って、生まれ育った故郷の社会へ客観的な眼差しを向けることになりました。初めて、子の親離れに近い感覚を故郷に抱いた瞬間でもありました。(帰郷後、私なりに気持ちの整理ができました。そのことは沖縄県図書館協会誌の寄稿文に書きました→こちら

 

所変われば、トショカンも変わる。世田谷区にはいくつも分館があったので(現在は15館)、本を借りながら巡るのが楽しみになりました。中央図書館は特にお気に入りで、大学の夏休みに窓口のアルバイトをさせていただいたこともありました。偶然、中学時代からの同級生に出くわし、驚いた表情で「お前ここで何してるか」とみゃーく訛りで言われたことは楽しい思い出の一つです。

 

 

 図書館巡りの趣味はさらに広がって、渋谷区、目黒区、品川区、千代田区、神奈川県の川崎市、大学図書館、国会図書館、六本木ヒルズライブラリー、せんだいメディアテークのほか、仕事で海外へ行く機会をいただけたときにはオーストリア国立図書館、フランスのポンピドゥー・センターなどへ行きました。近年は、沖縄本島にある公共図書館も機会を見つけて訪ねています。いつかゆっくり世界中の図書館旅にでかけられたら幸せです。

 

 

 ありんこ文庫は、地域に関わり貢献したいと願う社会人としての私、スキスキ♥トショカンなお友達(0歳から)を増やしたいパーソナルな私の気持ちがひとまずの土台となって始まっています。まだ芽吹いたばかりですが、宮古島市に生まれ育つすべての子ども達にアクセスできるよう、これから変化しなければなりません。よく視て、よく聴いて、ふさわしい道を辿りたいです。

 

 

 

池城かおり

1979年。宮古島市平良生まれ。

宮古高校、東京農業大学応用生物科学部卒。

日本科学未来館に勤務後、2008年に帰郷。

現在は絵本図書室ありんこ文庫代表、NPO美ぎ島アーカイブ代表を務める。

宮古島市立図書館協議会委員、沖縄県立図書館協議会委員。

http://ikeshirokaori.tumblr.com/

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