ほんとーく

2014年09月19日

ほんとーく 池城かおり(第1回)

 

 

 

子ども向けの絵本図書室を作ったので、「子どもと絵本が好きなんですね」と優しい笑顔で言われること度々。どうお返事しようかな、そう思われて当然なのだけど・・・。冒頭から不穏な雰囲気をまとって申し訳ないです。いえいえ、私は子どもも絵本も、好きです。でも、私はこうお返事しています。「図書館が好きなのです」

 

 

絵本図書室の名前は「ありんこ文庫」。利用対象は0歳から小学生で、絵本・児童書約500冊を所蔵しています。詳しいことはブログをご覧いただくとして、「ほんとーく」では、スキスキトショカンな話を徒然なるままに書いてみます。

 

(ありんこ文庫室内)

 

 

私が小学生の頃によく通っていたのは、近所の公民館の図書室でした。ここで過ごした記憶があまりにはっきりしているので、図書館好きはここから始まっているのだと長い間思い込んでいましたが、絵本に親しみ始めたことをきっかけに、もっと前の記憶がだんだんに思い出されてきました。行き着いたのは、叔父が私に絵本を読んでいる場面です。2−3歳頃でしょうか、小さな私は膝にちょこんと座って、父によく似た叔父の声を、もの珍しく聴いていました。叔父は遠方に暮らしていて私自身は慣れておらず、緊張していたのと両親に絵本を読んでもらった記憶がほとんど無いので、戸惑いもあったと思います。記憶の場面はとんで、今度は4歳くらいの頃の夏、従姉たちと駆け回っていたとき。目が開けられないくらい眩しい日差しの中、木陰をくぐって着いたのは、平一小学校の図書室でした。厳かな佇まいに圧倒されて、従姉たちの後ろにくっついて中に入りました。私よりも背の高い子ども向けに設計された机や、本棚を見上げていました。従姉たちは次々と本を選んで、貸出手続きをしていました。私ももちろんできると思っていたのに、「かおりちゃんは小学生じゃないからだめ」と従姉に言われて、ショックと悔しい思いをしたのでした。その頃は市立図書館の存在を全く知らず、両親も図書館に通う習慣はなかったので、従姉の発言を信じるほかありませんでした。図書室で本を借りることができるのは一人前の証のような気がして、当時の私にとって、とてつもない憧れでした。

 

5歳になって、母親の友人のすすめでガールスカウトに入団することになりました。活動日は毎週日曜の午前中です。場所は公民館でした。活動を終えて、帰ろうと出口にさしかかったとき、奥に伸びる薄暗い廊下を目にしました。誘われるように進むと、小さな部屋がありました。ガラス戸の先に本棚が見えます。そこは図書室だったのです。事務室は隣にあり、職員の姿もありましたが、小学生未満の私のことを気にする様子はありません。

 

(公民館の中庭)                       (公民館のハイビスカス)

 

そのときの私の気持ちを想像いただけますでしょうか。静かに喜びに打ちふるえていました。(わーい、と騒ぐとすぐにつまみだされると思いました)

 

かくして、私は最初の自分のトショカンに出会うことができました。この場所に大いに甘えて甘えて過ごせたことは幸運でした。その後のマニア道まっしぐらな話は次回に書きます。

 

 

 

 

池城かおり

1979年。宮古島市平良生まれ。

宮古高校、東京農業大学応用生物科学部卒。

日本科学未来館に勤務後、2008年に帰郷。

現在は絵本図書室ありんこ文庫代表、NPO美ぎ島アーカイブ代表を務める。

宮古島市立図書館協議会委員、沖縄県立図書館協議会委員。

http://ikeshirokaori.tumblr.com/

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