情熱カメラマン・ヨシ子さん初の写真集
「眼差しが自由で大胆だ。」
「写真はこんなにも身近にある。
ヨシ子さんのような好奇心こそが、そのもっとも重要な心得だろう。」
石川竜一(木村伊兵衛賞受賞写真家)が絶賛した写真集。
ヨシ子さんが撮っている写真はほとんどは、通勤途中や家や会社の近所など日常生活の中の風景や人たち。
どちらかというとキレイな花や風景ではなく、虫食いの葉の大根や、工事中の写真など、一見何だかわからない写真もあります。
どれも既成概念にこだわらない、自由な発想の写真です。
巻末の写真家・勇崎哲史氏の解説文「あらゆる存在への愛おしさと敬意」ではヨシ子さんの魅力を再確認できます。
さらにヨシ子さんによる写真を撮った時のエピソードを収録。
これを読むともう一度、写真を見返したくなります。
いくつかの写真とエピソードを紹介します。
「よしこさんが写真の勉強しているcopi 事務所から駐車場
に向かうところで、子どもが遊んでいたのよね。そしたら、こん
なのが撮れた。決定的瞬間だね。よしこさんは子どもの遊ぶとこ
ろが好き。あとは男が働くところ。」
「この写真には、「葉は虫さんに、根は人さんに」って名
前をつけた。「ねえ、なんでお肌がつるつるなの」「虫さんに葉っ
ぱをあげてたからよ」って、物語も想像している。いちむしは、
えらいね。」
「こんなに難儀して工事しているのに、このあと雨でぜん
ぶ流されてしまった。」
「アサヒカメラのファーストステップ賞をもらった写真。
普通のどうってことない写真かなと思ったけど、コの字型に光が
あるところとか、2 人が1 人に見えるとか、いいところもいっ
ぱいあるってコメントをもらった。それから鼻高々さ、うふふ。
1 年に3 万点くらい撮っているけど、その中から1 つや、2 つ
くらいは、いい評価をもらうことがある。とってもうれしいよ。」
●表紙デザイン ぐりもじゃ・サスケ
●本サイト連載「よしこさんは、すごい」参照
●目次
写真を撮るということは『頭と目と心を同一線上に結ぶこと』である、と写真家アンリ・カルティエ= ブレッソン(1908-2004 年:フランス)はいう。『頭』は理性や知性、『心』は感情、と置き換えることが出来ると思うが、
ヨシ子さんは、『頭と心』が既に同一線上にある人のように感じる。それを目(視線)と結びさえすればよい。
なんとも羨ましいことだ。
「上手い写真」というのは、確かな技術力によって概ね生じる。しかしながら、それが「いい写真」とは限らない。
「いい写真」は技術の上手さと関わりなく、観る人に何らかの感慨や想いをもたらす写真だ。
(本書「あらゆる存在への愛おしさと敬意〜ヨシ子さんの写真について」勇崎哲史より)
●2017年10月14日発行