絶滅の危機、そして復活―
豚肉王国を支えてきた在来豚アグーを知る

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昭和初期までの沖縄の豚は島豚(シマウヮー)、すなわちアグーがほとんどで、全国一の養豚王国を誇っていた。「琉球料理は豚に始まり、豚で終わる」といわれるほど、豚とウチナーンチュは切っても切れない関係にある。
ところが、さまざまな要因によりアグーは一時期消滅の危機に瀕することとなる。これに危機感を抱いた一部の有志がアグーの復活に取り組み、現在ではふたたびアグーの隆盛を見るに至った。
本書はそのドラマティックな流れを中心に記しながら、長きにわたって続く沖縄における養豚の歴史をひもといていくものである。

【ビジュアル多数】アジア各地のアグーの仲間たち、沖縄戦当時のアグーと人々、アグーの飼育と解体の今昔がわかる写真ほか。

 

●目次

口絵 アジアのアグーの仲間たち
はじめに

第一章 繁栄と消滅、そして復活へ
第一節 アグーを知る
  一、アグーの体型と特徴
  二、アグーの普及
  三、アグー飼養の二大目的
  四、アグーの売買
  五、アグーの肥育
  六、アグーの餌
  七、アグーとアヨーの名称
  八、豚小屋(フール)の構造
コラム 奥田金松の報告と賀島政基の著書
  九、アグーの種付け
  十、ふぐい取やあ(ふぐり取りを業とする人)
  十一、アグーの飼育頭数の推移
  十二、アグーの改良
  十三、各地におけるアグーの飼養状況
  十四、外国人が見た沖縄の養豚 
  十五、純粋種と雑種
  十六、アグーの屠殺
  十七、米軍とアグー 
コラム ウヮーサー一代
  十八、アグーの衰退とその背景
第二節 アグーの復活と隆盛 
  一、アグーの復活に関わった人々
  二、アグーの飼養頭数と出荷頭数
  三、アグー肉の流通と価格形成
  四、アグー保存会の設立
  五、アグーの肉は美味しい
  六、片仮名の「アグー」と平仮名の「あぐー」
  七、TPP(環太平洋連携協定)締結後のアグー
コラム アグーとイベリコ豚

第二章 沖縄と豚との関係
第一節 野生から家畜に
  一、イノシシから豚へ
  二、沖縄への豚の来歴
  三、豚の語源
  四、豚の字の由来
  五、豚と寄生虫
  六、豚の伝染病
  七、豚コレラと血清注射の効能
第二節 豚をめぐる文化誌 
  一、正月と豚
  二、西原町の正月豚
  三、ソウグヮチウヮーの様子
コラム スペインのソウグヮチウヮー
コラム 豚と民話

第三章 史料にみる食生活と豚肉
第一節 外国人が見た琉球の家畜
  一、韓国人が見た琉球の家畜
  二、冊封使が見た琉球の家畜
  三、記録に現れる豚
第二節 飼料としてのイモ 
  一、イモの伝来
  二、イモと養豚
  三、冊封使への食糧調達
  四、日本一の養豚県  
  五、やたらに〝豚肉〟食うな

第四章 戦後の養豚復興へ 
第一節 外国種の到来  
  一、種豚の導入
  二、ハワイのウチナーンチュから豚のプレゼント
  三、豚と同じ数の楽器をハワイに贈ろう
  四、豚の品種の変遷
  五、ランドレース種の導入
第二節 養豚形態の変化
  一、企業養豚と団地化の促進
  二、養豚技術の改善
  三、豚飼育の実態と屠殺頭数並びに豚価の推移

第五章 アグー時代の屠殺場から
    近代的な食肉センターへ
第一節 屠畜場の歴史 
  一、屠場法の発布
  二、沖縄の屠畜場
  三、明治期の屠畜場の構造設備
  四、第二次大戦後
  五、「屠場法」から「と畜場法」へ
  六、復帰前後の屠畜場
  七、(株)沖縄県食肉センターの創設
  八、屠畜場の改革と再編
第二節 改革と再編をめぐって
  一、トラブル多発
  二、屠畜業者は大騒ぎ
  三、豚肉騒動
  四、食肉衛生検査所の設立
  五、豚肉騒動のてんまつ
  六、日本と沖縄の肉食と屠殺

第六章 沖縄における豚肉料理の知恵
第一節 沖縄の豚食あれこれ
  一、沖縄で欠かすことのできない豚肉
  二、調理方法の特徴
  三、冷蔵庫のない時代の豚肉の保存法
  四、豚肉と相性のいい食材
  五、沖縄そばにも必要不可欠
第二節 アグーを味わう

あとがき
主な参考文献


●著者プロフィール
平川 宗隆(ヒラカワムネタカ)
博士(学術)・獣医師・調理師・
昭和20年8月23日生。昭和44年日本獣医畜産大学獣医学科卒業、
平成6年琉球大学大学院法学研究科修士課程修了、
平成20年鹿児島大学大学院連合農学研究科後期博士課程終了。
昭和44年琉球政府厚生局採用、
昭和47年国際協力事業団・青年海外協力隊員としてインド国へ派遣(2年間)、昭和49年帰国後、沖縄県農林水産部畜産課、県立農業大学校、動物愛護センター所長、中央食肉衛生検査所々長等を歴任。
平成18年3月に定年退職。
現在は公益社団法人沖縄県獣医師会会長、(株)サン食品参与。

著書
『沖縄トイレ世替わり』ボーダーインク 2000年
『今日もあまはいくまはい』ボーダーインク 2001年
『沖縄のヤギ〈ヒージャー〉文化誌』ボーダーインク 2003年
『山羊の出番だ』共著 沖縄山羊文化振興会 2004年
『豚国・おきなわ』那覇出版社 2005年
『沖縄でなぜヤギが愛されるのか』ボーダーインク 2009年
『Dr.平川の沖縄・アジア麺喰い紀行』楽園計画 2013年
『ステーキに恋して』ボーダーインク 2015年

●2016年2月初版第一刷発行
01-0824-gakkyu

復活のアグー 琉球に生きる島豚の歴史と文化
平川宗隆
A5判  176頁
定価(本体1800円+税)
ISBN978-4-89982-291-2

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投稿日
2016年2月2日
カテゴリ
歴史・地理
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2018年11月12日
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2018年10月11日
新城和博トークイベント「ゆんたくしよう!沖縄のあの頃と今」 11月23日(金・祝)15時~ くじらブックス&Zou Cafeにて 参加費:500円+ドリンクオーダー