大交易時代の祖先のルーツを追いかける
家譜からたどる琉球史の断片

くにんだ・久米村…… かつて琉球王国を支えた中国からやってきた久米三十六姓たち

そのひとつ梁氏(りょううじ)をルーツに持つ著者が
残された家譜の謎を追いかけて時空を越える旅へ。
久米村を軸にした、今につながる琉球史の断片を描く記録。
                                            
                                                                                                                                                                                                                           

                                                                                                                                                                                          

「はじめに」より

 いったい私達はどれくらい自分達の郷里の歴史を知っているだろうか?
 改めて問われると返事に窮します。
 若い時期にそれに関する出版物を読まなかったことに起因するが、その時に興味がなかったことも重なって、恥ずかしながら知らないまま年を重ねてしまった。
 教育現場にも責任がないわけではない。学校で教えてくれなかったような気が致します。定年を迎えて、県の主催する「かりゆし長寿大学」で学ぶ機会があり、カリキュラムに「琉球の歴史」がありまして、著名な先生方の講義を受けてみますと、授業のたびに〝目からうろこ〟の連続でした。専門が理工系である私にとって専門外の話が、むしろ不得手のはずの歴史の話しに、毎回新鮮な気持ちで過ごすことが出来ました。
 たまたま我が家には家譜があり、家譜に記載されていることと、歴史にきざまれた事象と対比させますと、あたかもその時代にタイムスリップしたかのように夢中になって、はまってしまいました。
 家譜ができたいきさつ、系図座を設置した琉球王国、中国で三百年も前に元祖の系図を探し当てたご先祖様、などなど、書き出すとただ面白く、一人で内に秘めるより文字として、あるいは写真として、記録を残すべきではないかと思い立った次第です。
 今の若い世代(中年も含めて)は故郷の歴史を知らなさすぎます。最近も、マスコミの記者に〝くに んだ久米村〟って知っていますかと聞いたところ、「久米島のことですか」と返事が返ってきました。彼らを責めるつもりはありません。ついこないだまで私も知らないことばかりでしたから「くにんだ」とは王朝時代の〝久米村〟のことで、そこに住む人達を〝くにんだんちゅ〟と呼んでいました。若い読者諸君が、少しでも郷里の歴史に興味を持ち振り返って欲しいので、この本を手掛けた次第です。              
 家譜とからめながら琉球が最も栄えた大交易時代に一緒にタイムスリップしましょう。
 読者諸君がいくらかでも郷里の歴史に関心をもち、現代と対比して読んでくれることを望んで止みません。
 さりとて、所詮専門家ではありませんので、所々〝そうじゃないんじゃない〟と思われる個所が出てきましたら、年寄りに免じてひらにお許し願いたい。

●目次

発刊に寄せて 武井基晃

はじめに
第一章 梁氏の家譜の謎をおいかけて
 閩人三十六姓って何のこと?
 客家、もしくは華僑と久米三十六姓との違いについて
 梁氏の家譜について
 家譜ができた時代背景
 梁氏の家譜は誰が編纂したか
 大交易時代を支えた梁一族
 尚真王に仕えた三世梁傑と尚清王に仕えた四世梁顕
 蘇木を訪ねてマラッカへ
 琉球はなぜ交易の相手にマラッカを選んだのか
 現在のマラッカは

第二章 福州のトートーメーを訪ねて
 謎の人物 〝梁能〟について
 梁能と元祖〝梁嵩〟との関係
 福州梁辺村でのディスカッション
 福州の家譜にみる元祖〝梁嵩〟について
 福州の位牌(トートーメー)
 梁辺村の家譜と沖縄の家譜、そして上記位牌との整合性について
 梁嵩を送り出した福州の梁辺村について
 祖廟
 祖庁
  みちくさコラム 象牙の駒 
 華林寺 観音殿
 梁族の宗祠 永盛梁氏宗祠
 泉州での調査
 始祖 梁克家の墓
 泉州における〝梁能〟および関連の調査
 客家の里に円楼(土楼)を訪ねて 

第三章 時代を支えた留学制度 
 梁氏の官生(国子監留学生)と勤学(私費留学生)
 昭和三十年代の琉球の留学制度〝琉球人〟と〝日本人〟   
  みちくさコラム B円(軍票)とドル 
 琉球王朝時代の留学制度
 勤学としての留学生
 福州で客死した勤学の方々
 蔡温と梁氏  
 名護親方と梁氏

第四章 伝統を伝える 福州の清明祭(ウシーミー)と梁氏の清明祭
 福州の清明祭
 梁氏の清明祭
  みちくさコラム 上海帰りのリル 
 御三味(ウサンミ)について  
 元祖〝梁嵩〟の位牌(トートーメー)とその祭壇
 開眼供養式典
 聯と扁額

第五章 孔子廟と東寿寺跡地の再興
 孔子廟と明倫堂
 上海の孔子廟(文廟) 
 上海 嘉定の孔子廟 
 ベトナムの孔子廟
 台北の孔子廟
 台中の孔子廟 
 福州の孔子廟  
  みちくさコラム テラピア 
 曲阜の孔子廟、そして孔林(孔一族の集団墓地)   
 沖縄の孔子廟
 東寿寺の復元
 東寿寺の縁起について
 堂屋敷(忠盡堂)と堂小屋敷
 わらべ歌「どうぐゎーやしち ぬ たんめーさい」

あとがき    
 解説 崎山直樹 
 付録 家譜抜粋梁氏歴史年表


●著者略歴
崎山孝次郎(サキヤマコウジロウ)
1945年 壺屋の防空壕で生まれる
那覇高校卒、千葉大学工学部電気科卒。
東芝エレクトロニックシステムズ入社。
復帰後帰省し、國場組入社
沖縄特電 専務取締役で退社
三井物産 沖縄都市モノレール沖縄事務所所長
ゆいまあーるドットコム代表者
一般社団法人 久米梁氏呉江会会長
趣味 弓道  沖縄県弓道連盟 理事 錬士五段
アマチュア無線 一級アマチュア無線技士 JR6AZ(KR8AZ)
水彩画(本書表紙を飾る)
89982-316-2

くにんだ・久米村 家譜から読み解く大琉球時代
崎山孝次郎
四六判  272頁
定価(本体1,200円+税)
ISBN978-4-89982-316-2
投稿日
2017年4月3日
カテゴリ
歴史・地理
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