沖縄のハンセン病患者はどう生きたのか。私たち今を生きる人間すべてにとって学ぶべき普遍的な認識を描く。

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沖縄愛楽園を中心に、沖縄のハンセン病問題を考える。沖縄のハンセン病患者はどう生きたのか、あるいは、どのような生き方を強いられたのか、そして、愛楽園の中で人々はどのように暮らしたのか。沖縄の事情を個別に取り上げながら、その個別、特殊な認識から、私たち今を生きる人間すべてにとって学ぶべき普遍的な認識を描く。

●目次

第一章 療養所に生きる――ある人生――
第一節 発病と入園
  一 発病」
  二 不安
  三 隔離
  四 愛楽園入園
  六 法の廃止の時よりも
  七 安心
第二節 療養所の生活
  一 青年の家族
  二 賭博の思いで
  三 園長の厚情
  四 宮島栄一の後日談
  五 戦禍を経て

第三節 喜びも悲しみも
  一 結婚
  二 克己の悪戯
  三 廃墟の中から
  四 自分を表現すること

第二章 歴史をさかのぼる――病む人たちのくらし――
第一節 偏見による患者の排除
  一「業病」、「天刑病」
  二 罪を消すための儀礼
  三 道場と慈悲の背後にあるもの
四 隔離の実際
  五 隔離の成果と人々の意識
第二節 正しい認識とその落とし穴
  一 遺伝病から伝染病へ
  二 偏見からの解放
  三 正しい知識は人々を解放したか
  四 嵐山事件
  五 事件の背景一 ――療養所の設立が難航した事情――
  六 事件の背景二 ――公論と人々の感情
第三節 不寛容のこころ
  一 屋部の焼き討ち事件
  二 迫害の理由
  三 理由の検討
  四 安和でも同じように……
  五 人々の行動を縛るもの
  六 矛盾から見えてくるもの 

第三章 愛楽園のほうへ――青木恵哉のはたらき――
第一節 迫害に耐えて       
  一 青木恵哉を待ち受けていたもの
  二 同じ病を病む者たちとともに
  三 病者の死2
  四 思いが確信に変わるとき 
第二節 身を寄せ合って生きる
  一 土地購入の思い
  二 土地購入と行政の失策
  三 備瀬から屋部へ      
第三節 迫害に抗して
  一 大堂原へ
  二 行動
  三 撤退
  四 伝道と病者救済
  五 重ねられる困難                  
第四節 愛楽園の誕生
  一 林文雄と沖縄      
  二 再びの大堂原                  
  三 大堂原に生きる                  
  四 MTL相談所、そして愛楽園へ           

第四章 魂たちの系譜――動き始めた園――
第一節 公立療養所として
  一 安住の地であったはずなのだが           
  二 新たに加わった人たちから見た青木恵哉       
  三 青木恵哉殴打事件                 
  四 「来歴」の意味                  
  五 自然の贈与                    
第二節 魂のゆくえ
  一 つくった人、強いられて入所した人         
  二 「国立療養所」の中で              
  三 奪われた命――『証言集』から――        
  四 砂の魂                     
  五 の声                    
  六 善意の前の服従                 
第三節 園を貫く思想
  一 光田健輔の志                  
  二 情を断ち切るこころ               
三 曖昧な存在                   
四 秩序に抗した人たち               
第四節 人々のこころ 
一 林文雄と塩沼英之助               
二 沖縄の患者救済                 
三 星塚敬愛園へ                  
四 山里つるさんの旅                
五 愛楽園のつるさん                
  六 併呑                      
  七 園歌に見る人々のこころ 一           
  八 園歌に見る人々のこころ 二           
第五節 戦時下の愛楽園
  一 早田園長の就任と軍収容             
  二 壕を掘る                    
  三 壕と人々の生活                 
  三 窮乏生活を生きる                
  四 早田園長の合理性                
  五 戦後へ                     

第五章 人は生きなければならない――園に生きる――
第一節 子どもたちの記録
  一 子どもたちの教育                
  二 正式な学校へ                  
  三 勉学への支援                  
  四 つくる喜び                   
第二節 義兄の愛情
  一 人を生かすこころ                
  二 優しさに支えられて               
  三 ひとりではない                 
第三節 生のかたち
  一 在宅治療                    
  二 「病」を生きる                 
  三 戦後民主主義を貫く思想             
  四 療養所という文化的な存在            
第四節 人は意味を生きる
一 人は一瞬を生きる                
二 人は意味を生きる                
三 生を支えるもの      

下村英視(シモムラ ヒデミ)

1954年 山口県生
1985年 九州大学大学院文学研究科博士課程、哲学・哲学史専攻、
     単位修得退学
2008年 博士(学術)、千葉大学
 現在  沖縄大学人文学部教授

著書  『もうひとつの知』(1994年、創言社)
    『言葉をもつことの意味』(2009年、鉱脈社)
    『星ふるさとの乾坤』(2012年、鉱脈社)
    『人間存在の探究』(2014年、ボーダーインク)
    以下、共著
    『人間存在の探究』(1991年、創言社、岩切正和編著、
    第3章「存在と言葉」担当)
    『哲学へのいざな誘い 新しい形を求めて』第Ⅴ巻自己(2010年、
    東信堂、松永澄夫編著、第6章「人の傍らで」担当)     
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理性主義と排除の論理  沖縄愛楽園に生きる
下村英視
四六判ソフトカバー  400頁
3000円+税
978-4-89982-288-2
投稿日
2015年10月7日
カテゴリ
社会
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2018年06月14日
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2018年05月18日
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