2015年07月17日

「ぼくの<那覇まち>放浪記」出版記念ツアー決定!

 

 

★新城和博 『ぼくの〈那覇まち〉放浪記』 出版記念 夕涼み妄想おさんぽツアー★

 

~書を持ち、ほろほろと〈那覇まち〉を歩こう ~ボーダーインクの巻!

 

(今はなき本屋と海岸の名残りを訪ねて 牧志・美栄橋・泉崎・西町かいわい)

~時をかけてご近所〈那覇まち〉を旅してみたら、懐かしくて新しい風景が見えてきた~

 

 

■沖縄・那覇生まれ育ちの著者・新城和博(ボーダーインク)が、復帰後の那覇、戦前の那覇の風景、痕跡をもとめて、ひとりほろほろと歩いて綴った待望の〈まち歩き〉エッセイ『ぼくの〈那覇まち〉放浪記』刊行記念の〈那覇まち〉歩き、好評につき、どこまで続くのか第四弾開催! 今回はかつて那覇のあちこちにあった本屋といにしえの海岸線の名残を求めて、時をかける妄想さんぽです。

 

・日時    8月1日 土曜日 午後6時~8時頃  ※西町到着後、打ち上げ予定
・集合場所  ゆいレール牧志駅下のうふしーさーの前

・コース   まち歩き 牧志・美栄橋・泉崎・西町かいわい

 

※雨天(だいたい)決行(予定)
※西町到着後、打ち上げ予定

 

・参加条件 『ぼくの〈那覇まち〉放浪記』か、他のボーダーインク刊行書籍を事前に注文していただきます。
下記メールアドレスまで、お名前、お電話番号、ご注文書籍とお書き添えの上、お申し込みください。
(※定員10名に達し次第、応募締め切ります)

 

申込先・問合せ  ボーダーインク 金城  books@borderink.com
電話: 098-835-2777  http://www.borderink.com

2014年05月16日

BUCK NUMBERS〈その2〉

 

小社ホームページの歴史をひもとき、

「もう一度のせてみたら面白いかも」という記事を紹介する、

タジラシケーサー企画「バックナンバーズ」。

 

不定期ですが、つづいてますよ。

第一回はこちらです。

 

 

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■第二回 「電柱通り物語」

ボーダーインクの「ピサの社長」こと、宮城社長のページ。

いろんなことを書いていましたが、

今回はいわゆる「孫ネタ」をピックアップしました。

 

現在は「電柱通り雑記」を休眠中です。

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思い込みの罪

 

一昨日の土曜日のことである。

散歩にいこうと玄関を出たとき、5歳になる孫が、

「おっとー(ぼくのことをこう呼ぶ)、ハブどうするのー」

と言った。

「ハブって?」

「ほら、あっちにいるでしょう」と言って、物置の方を指さしたのである。

 

 

じつは、ここ数ヶ月、物置のそばを通るたびに、孫は、

「おっとー、ハブどうするのー」と、聞くのだ。

 

 

前に、家のすぐ近くで、隣の人がハブに噛まれたことがあったので、

そのことが強烈にインプットされているものとばかり思っていたぼくは、

聞かれるたびに、

「ハブはもういないよ、遠くへいっちゃった」

と応えていた。

 

 

で、今日はこころにもゆとりがあったので、

実際をものを見せて、不安を除去しなければならないと思って、

物置を開けた。

 

 

「ほら、いないでしょう」

「いるさー、ほら、あっちに」と、あとすざりしながら、

指さす方を見て、ぼくは思わず、「あっ」とさけんでしまった。

 

 

がらくたがいっぱい積まれた一番下に、

土間に接して、

バールの頭の部分が見えるのだ。

それがハブとそっくりなのである。

 

 

いつ、どんな時に

こんなのを目にしたんだろう。

何日も何日も、小さな胸に、

おびえ、不気味さ、わだかまりのようなものを抱えていたかと思うと、

大人の思い込みというのは、

じつに残酷なふるまいをするものだということを思い知らされた。

 

何で読んだか忘れたが、こんな話があった。

赤ちゃんがあまりに泣き叫ぶので、

たぶん、ひもじいのだろうと思って、ミルクを与えたが、

泣きやまない。

あの手この手をつくしても泣きやまない。

赤ちゃんのお尻のあたりに針がささっていたのだ。

 

大人の思考回路におさまらない外部に、

子どもたちがサバイバルしている場所があるということ。

 

(2000年9月18日 )

2014年04月23日

BUCK NUMBERS〈その1〉

 

小社ホームページではこれまでに、

本にまつわったり、まつわらなかったり、

いろいろな企画ものや連載記事を掲載してきました。

 

しかし数度にわたるリニューアルで読めなくなった過去ログも多数。

 

そんな過去ログの中から

「もう一回載せてみたらなんかちょっとおもしろそうじゃない」

という記事をピックアップして再掲したいと思います。

 

ということで、不定期連載「バックナンバーズ」。

突然ですが、はじめます。

 

 

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■第一回 「今週のこの一冊」から(2003〜2004年頃)

スタッフが持ち回りで自社本をレビューする週刊連載。

あまり知られていない本をPRしたいという熱い思い

(と、売り上げに結びつけたい心)から始めた企画です。

当番が回ってきて初めて自社本を読んだという輩ばかりでした。いかんです。

長いですが、お読みください。

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『日本とドイツの子ども俳句集』(担当:新城和博)

 

もっとも困難なことに立ち向かうとき、人は時として思いがけない行動をとる場合がある。

それを人は「魔がさす」と呼ぶ。

でもあの季節を人々はこう名付けた。

「魔がさしこむ」と。いてててて。

 

 

2000年、沖縄県は浮き足だっていた。

サミット、である。

サッ、サッ、サッサミットと、婦人会がスクラッチっぽく歓迎のカチャーシーを

一年も前から準備するほどに、浮き足差し足だっていた。

 

「ぜんざい食べたい」

じゃなくて「千載一遇」と……全然似ていない、ダジャレにもなっていないけれど、

これが芸風なので、しかたがない……

 

人々は何回目かのおなじみの下心で、サミット関連商品やイベントを考え出していた。

 

サミットそばや黒糖サミッ糖、サミット・トイレットペーパーなど、

沖縄人の知恵の神髄を集めた関連グッズが、

夜空を流れる流星のごとく登場した。シャララーン。

 

□ □ □ □

 

「時はまだ満ちていない」

とワンダー編集長エスは、海溝三千メートル級の山のごとく動じなかった。

 

「サミットごときで、便乗本など出したところで、なんになる」

 

復帰二十周年も、二十五周年も、何もしなかった。

いや、手も足も出せなかった。口しか。

 

沖縄のことわざにこういうのアルヨ。

「酒しか造れない」のではないのだ。酒さえも造れないのだ。

軽い徒労感が彼を襲っていた。

 

 

□ □ □ □

 

その時、

宮古島が動いた。

 

いち早く、ドイツ首相の歓迎モードに入っていた宮古。

だってドイツ村があるんだもん。

その昔から交流しているだもん。

久松五勇士は、サバニにひとつで、海を渡り、ドイツまで人を助けにいったのだ。

 

ちょっと違うが、ドイツと宮古は縁(えにし)があるのだ。

 

 

宮古とドイツの関係を世界にアピールする、

「ぜんざいおかわり」、

じゃなくて「千載一遇」のチャンス、だった。

 

俳句、しかない。

誰もがそう思った。

 

 

実は、俳句というものが、ドイツの子どもたちに大流行していることを、

誰も知らなかった。多分、宮古の人も知らなかった。

 

それで一言では説明できないのだが、

「日本子ども俳句サミット IN 宮古島大会」が

本当に開かれることになったのである。

 

日本国全体の子どもたちから、そしてドイツの子たちから、俳句を募らなければ。

時代の歯車が動いた。

そしてすぐに止まった。

 

 

□ □ □ □

 

ボーダーインクの宮城が、その時、動いた。

「日本とドイツの子ども俳句集」を、

大会までに○○○○部作らねばならない。

 

○○○○部、と伏せたのは怖いからである。

 

 

宮城さん、やってくださらんか。

かつて人頭税の苦難の歴史を知っている宮城には、涙をにじませながら、

はるばる宮古島からサバニを漕いで、ボーダーインクに出版を頼む宮古の関係者の姿に、

何もいうことが出来なかった。

 

何かといえば、サバニを漕ぐのが、宮古流であった。

 

 

期間は迫っている。受けるべきかどうか。

さらに「俳句」である。子どもの。

 

そんなものが果たして売れるのか。

 

しかし応募総数、日本で一万七〇〇余句、ドイツで七四八句、集まった、という。

 

一人、一冊ずつ買うならば……。

ボーダーインク社員の指は震えた。

 

子どもたちのためにも、作らなければならない。

そうサミット、じゃなくて、子どもたちに、

ドイツ語で言えばキンダーのために。

 

こうしてボーダーインク、唯一のサミット・プロジェクトが、動き出した。

 

 

そして止まった。

 

 

□ □ □ □

 

 

こどもたちの膨大な量の俳句を読んで、次々と受賞作を決めていく。

この作業を成し遂げた俳句審査員の方々には敬意を表さなければならない。

 

後に、帯の文句として引用された審査委員の方々の一言に、

苦労の跡が偲ばれる。

 

特にこの本の編集担当になった平良美十利(ミトミト)の苦渋の決断である。

 

 

「今度のように、たくさんの子どもの俳句をみたのは初めてです」(松崎鉄之助)

 

ほんと、そのとおり。読者の誰もがそう思うっちゃ。

 

 

「とっても、子どもは上手な俳句を作るんです」(稲畑汀子)

 

そりゃほんとよかった、よかった。

 

 

他にもいろいろ審査員の講評は続いていた。

 

編集担当平良の苦悩は続いた。

 

「どうするべきかよ、まず」

 

 

□ □ □ □

 

こうして、時代の波にさらされながらも、

「日本とドイツの子ども俳句集」は、奇跡的にも宮古島大会に間に合って

刊行することができた。

 

 

 

サミット直前、沖縄の熱狂は世界にアピールする中、俳句大会は、

トライアスロンの島・宮古で開催された。

 

実行委員会は当然のように、大会記念のオリジナルCDを作っていた。

 

「俳句クイチャー」

 

である。

 

受賞した子どもたちの俳句作品を歌詞にして、クイチャーを踊るのである。

 

 

さすが、宮古。その暑い、いや熱い燃えたぎる情熱は抑えることはできやしない、

あーできやしないのである。

 

 

後に聞かせてもらったが、

事務所の時が止まるほどの衝撃を受けた、といいたい。

筆舌に尽くしがたい、とはこのことである。

 

ちなみに最初はこうである。

 

 

「あれ あれれ 土がもっこり たけのこだあ

ヤイヤヌ ヨイマーヌー ヒヤサッサー

たけのこだぁ  ニノヨイササッサイ」

(俳句作品  石川りえ子  愛知県小1)

 

この感じで、延々と続き、しかも「本大会用」と「プレ大会用」の二曲と

それぞれのカラオケがついている、非常にお得なCDである。

 

ボーダーインクに遊びに来た方には喜んで、お聞かせしよう。

 

□ □ □ □

 

そして、

宮古島で大会が始まり、終わった。

後には、壁が残った。

 

ドイツのベルリンの壁はなくなったが、

今度はボーダーインクに「日本とドイツの子ども俳句集」という壁が、

一夜にして出来たのである。

 

 

応募してきた人が、かならず本を買う、はずはないことは知っていたが、

そんなに無視することないんじゃないと、ボーダーインクの社員の一人は唇を噛んだ。

 

「はいく買ってよー」……。

 

 

□ □ □ □

 

 

あれから、三年の月日が流れた。

サミットは終わり、クリントン広場は作られず、

シュナイダー・ドイツ首相は宮古島で大歓迎された。

歴史は確かに動いた。

 

 

しかし、沖縄の基地問題は進展しているかのように見えて、なにひとつ動いていない。

あと十五年は何もないだろう。

 

そしてびくとも動かないものはもう一つあった。

 

「日本とドイツの子ども俳句集」の壁である。

 

□ □ □ □

 

ある夜、独り、ボーダーインクの倉庫にたたずんで、ボーダーインクの新城は、

歴史の流れに翻弄され、歴史の歯車に挟まったままの、

一冊の本がたくさんあることへの、無念さを思った。

 

よく読むと、面白い俳句もあるはずだ、と新城は思った。

そして見つけた。

 

ドイツの子どもたちの俳句は、何かが違う。

 

もちろんドイツ語で書かれたものであり、とても短い詩というかなんというか、

それを日本語訳したものがずらりと並んでいた。

 

ちなみに、沖縄県知事賞をとった作品はこれである。

 

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  雪だるま ぽたぽたと

  水が血のようにたれる

  もう長くは生きられない

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く、暗い。13歳のダニエル・リヒェルくん、何があったのですか。

 

 

さらに沖縄県教育長受賞作となると、

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

  ばけつ一杯の水が

  庭で僕を持っている

  水をひっかけるぞ

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

教育長の胸中を推し量るべし、7歳・ニコラス・ダニエル・エンダース君。

 

 

現代俳句協会賞には、

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

  今日もまた

  何もいないのに餌をまいている

  湖畔の老人

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

フロリアン・ル・ブラール君18歳の作品が選ばれた。

 

 

ドイツの子供たちは、宮古で生きていけるだろうか。生きていく必要はないのだが。

 

□ □ □ □

 

しかし、新城は、この俳句に己の姿を見た気がした。

ボーダーインクの歴史の闇に葬り去られようとしているこの一冊に、

新たなる検証の光りを与えてみたい、と新城は考えた。

 

宮城芳子はさらに強く願った。

「一冊でもいい。まずは売れるところがみたい」と。

 

 

その祈りにも似た叫びにも似た、まあいろいろ似ているつぶやきに、心打たれて、

「今週の一冊」に、このンパッ・フィックションを書いた新城であった。

 

この地上に叶えられない願いがあるかもしれない。

それでも希望という名の注文の星に願いを掛けるのであった。

 

チャラララララー ラララー チャララララ ララララー  オシマイ

 

 

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よしこさんの願いをかなえてくれる方をお待ちしています。

『日本とドイツの子ども俳句集』はこんな本。

壁はまだ残ってます!

 

 

2014年03月05日

よしこさんは、すごい。【最終回】

 

大好評連載「よしこさんは、すごい。」

いよいよ最終回です。

 

 

●第一回はこちらから

●第二回はこちらから

●第三回はこちらから

●第四回はこちらから

 

「家族までひっぱり出してからによ〜

でも、こういう機会なければ、

家族からは感想は聞けないからねぇ。

 

宮城さんとも、同じ家に住んでるだけ。

私たちって仮面夫婦〜? ふふふふ」

 

 

 

■□最終回「こんなして撮るのがおもしろいって。」

 

 

大道小学校のところで見た男の子ふたり。

 

『graffiti in my heart 2』p26

 

こんなして手つないでいるわけ。

なんでかね~って思って「撮っていい?」って聞いたら「いいよ」って言うから、すぐ撮った。

 

いい顔よね。

 

小学生にカメラを向けたら

「パパラッチしないで〜」って言われたことがあるよ。

 

わらびやてぃん、こんなして言うんだねぇ。ふふふ。

 

 

『graffiti in my heart 2』p27

 

 

これは、南風原文化センターにある壕。

暗しんみぃから、子どもたちが出てきたところ。

 

近道なのか、遊び場なのか、とにかく壕から出てきた。

笑っていたよ。

 

 

 

真ん中の子どもは、写らんぱーして顔を下に向けている。

 

 

『graffiti in my heart 2』p36

 

 

子どもたちを撮っているつもりが、たまたま後ろに国場幸之助も写っている。

あれも子どもだから、ちょうどいいね。ふふふ。

 

 

 

これはね、わったー宮城さんが歯磨きしているところ。

 

 

『graffiti in my heart 2』p47

 

 

宮城さんに、撮った写真を見せてさ、

「『良かった』とか『上等だった』ではない感想をちょうだい」って言うわけ、たまに。

 

そしたら、「わるくはなかった」って。わじるやっさー。

 

この写真も、本人に確認もしないですぐ撮った。

何も言わないけど、撮るなって言われたことは一回もないよ。

 

 

宮城さん、すぐ退院して、シャバの空気を吸って、ちゃーがんじゅー。

 

 

 

 

先生(よしこさんのカメラの師匠・Yさん)の知り合いに文筆家の人がいて、

写真にも詳しい方なんだけど、

その人がほめてくれたって、この写真を。

 

 

『graffiti in my heart 2』p52

 

 

「よしこさんは、すごい。」って言ってくれたって。

 

「対象の見方、とらえ方が面白い」って。

なんでも普通は正面から撮るけど、

「後ろ側から百合を撮った写真がいい」っておっしゃってたみたい。

 

 

超うれしかった。

 

 

花が咲いていて、向こう側を向いているから、何も思わずにカメラ向けた。

何も考えなかったよ。ただ撮った。

 

よしこさんにとって「後ろ姿」はひとつのテーマみたいよ、やっぱり。

 

 

 

 

フェイスブックとか、ついたーとかで、よしこさんの写真を見てくれている人もいるんだねぇ。

 

撮るひと、見るひと、感想を書くひと、三者が、

生きて、生きて、生きてるってかんじだねぇ。

 

ついたーは字が小さくて、よしこさんは読めなかったけどね。ふふふふ。

 

 

 

 

 

■連載「よしこさんは、すごい。」は今回でおわります!

よしこさんの写真活動をこれからも応援してくださいね。

(取材・構成・文・文中写真=喜納えりか)

2014年02月26日

よしこさんは、すごい。【第四回】

 

大好評連載「よしこさんは、すごい。」

 

●第一回はこちらから。

●第二回はこちらから。

●第三回はこちらから。

 
「よしこさんのことを家族は完全にあきらめているよ。ふふふ。」

 

第一回で、よしこさんはこんなことを言っていました。

 

ということで、

第四回は「番外編」として、

ご家族が写真集をどう思っているか、聞いてみました。

 

 

 

 

■□第四回「でもさぁ、これなんかちょっといいんじゃない。」

 

よしこさんの長女・サツキさんは保険の営業ウーマン。

ボーダーインクとは昔々から、公私ともにおつきあいがあります。

 

 

「日頃お世話になってるからさぁ、今からおやつ持っていくね。待っといてよ〜」

 

 

ということで、ある昼下がり、

クロワッサンを手みやげにサツキさんが事務所にやってきました。

 

※写真はイメージです。

 

 

「よしこさんの作品集? 前にもらったような気がするけど、どこ行ったかなぁ」

 

サツキさんはご自身のお母さんを「よしこさん」と呼びます。

 

話題の写真集をじっくり見てもらいました。

 

 

「へぇ〜こんな写真撮ってるんだねぇ。

よくわからないけど。

これって、いいものなの?」

 

はい、すごくいいですよ。

 

 

ペラペラペラペラ……

ページをめくるのが早いです。

 

もうちょっと、ゆっくり見てくださいね。

「よしこさんは、すごい。」んですから。

 

 

「へぇ〜やっぱり家族よりも会社の人の方が優しいさ。

私なんか『何かやってるねぇ』くらいしか思わんよ。

 

 

……あい? でもさぁ、これなんかちょっといいんじゃない」

 

『graffiti in my heart 2』p19

 

「よしこさんが撮ったの? とっても綺麗に並んでるけど。

これって……やらせじゃないの?」

 

生き物ですから、やらせは無理ですよ、サツキさん。

 

『graffiti in my heart 2』p18

 

 

「それで、こっちも猫にしたっていうわけね。

ふぅん。

わるくないんじゃないの〜」

 

 

「あ、これはいつもの光景だねぇ。こんなふうに写真になるんだね。へぇぇ」

 

『graffiti in my heart 2』p14、15

 

 

「それでさぁ、聞いて!

 

前によしこさんと待ち合わせしたんだけど、

ぜんぜん来ないわけ。

待っても待っても。

 

電話してみたら、なんて言ったと思う?

 

『シャッターチャンスがあったから遅くなるねぇ』って。

 

人を3時間も待たしてからよぉ〜」

 

 

『graffiti in my heart 2』p51

 

 

「でも最近は、

よしこさんがこんなして言っても

 

『あ〜はいはい、じゃあ3時間後ね』ってなる。

 

人間って慣れてくるねぇ。うっふふふ」

 

 

『graffiti in my heart』p45

 

 

「これはうちのお盆の時だはず。

家族もたくさん撮っているんだねぇ」

 

 

あい、こんな時間になってる!

仕事の邪魔してごめんねぇ。

これからもあの二人をよろしく〜」

 

 

こちらこそ、いつもありがとうございます。

また遊びに来てくださいね。

 

 

「おっけ〜! あ、よしこさんが帰ってきたらこの書類わたしておいてね」

 

わかりました〜。

サツキさん、ありがとうございました!

 

 

〈最終回につづきます!

 

 

 

2014年02月19日

よしこさんは、すごい。【第三回】

 

 

局地的に盛り上がりを見せている

情熱カメラマン・よしこさんの連載第三回です。

 

ひっそりと三冊も出していた写真集から、自分の作品についてあれこれ。

 

●第一回はこちらから。

●第二回はこちらから。

 

 

「あんたよ〜。

知らないうちに世界に発信してからに。

でも、誰かが喜んでくれれば、

よしこさんはそれでいぃ〜の」

 

 

 

■□第三回「今、とっても気になる人。」

 

陰と日向があって、その間をおばあちゃんが歩いているから、いいなっと思って撮った。

信号待ちの時に撮ったから交通違反じゃないよ。ふふふ。

 

『graffiti in my heart 2』p14

 

この、おばあちゃん、よしこさんの通勤の時に、毎朝同じ時間、いつもこんなして歩いている。

 

黒まるそう通りから森永乳業のあたりまでは歩いているのを見たけど、

毎日どこに行ってるか分からない。

 

今、とっても気になる人。つかまえて話ききたいくらいよ。ふふふ。

 

 

『graffiti in my heart 2』p21

 

これはね、問題作。

都会でしょ、東京であるわけ。

芹沢俊介さんの戯曲を見に行ったとき、芸術劇場のすぐそばで撮った。

 

道ばたで眠っていたところを警察につかまっていた。

 

朝じゃなかったよ。もっと遅い時間。

何があったかねぇ。

 

 

『graffiti in my heart 2』p22

 

何も言えない……かわいそうな……。

北部のたんかん畑だったはず。

 

コウモリと人間との闘い。

網から放して逃がしたりしたらまた問題だから、何もできなかった。

 

 

『graffiti in my heart 2』p23

 

だけど、目が助けてくれ~って言いながら、もがいていた。

 

 

 

男たちの井戸端会議。

黒まるそう通りのバス停のそばで、朝から晩までこんなして座っている。

 

 

『graffiti in my heart 2』p42

 

 

昔々はよく働いて、今は周りにわーぎられて……行き場のない男たちが……。

 

ビールから何から、ぬーやーきーやー持ってきて一日中座っている。

 

左のおばちゃんが差し入れしているさぁ。タバコもふいてる。

よしこさんも差し入れ食べたことあるよ。何食べたか忘れたけど。

 

 

この通りは、さっきのおばあちゃんが毎日歩いている道と同じ。

 

 

おばあちゃんと男衆、すれ違っているはずやっさー。ふふふ。

 

 

〈第四回につづきます!

 

2014年02月12日

よしこさんは、すごい。【第二回】

 

大好評!

ボーダーインクの情熱カメラマン・よしこさんが、

ご自身の写真集から作品について語ります。

 

●第一回はこちらから。

 

「ひとが聞いて面白いか分からんけどね、

まあ、話すだけは話してみるさぁ。

あとはどうにかアンナシカンナシしてねぇ。ゆたしく〜」

 

 

 

■□第二回「あおむしは、びびるね〜。」

 

 

これはね、浦添てだこウォークの途中で撮った。

 

『graffiti in my heart』p6

 

バケチャーが水タンクの上にあるから、これを通って水が濾過されてしかるべきだけど、

こんなにして色々生えてね。

 

タンクも新と旧が並んでいる。色もカタチも面白いでしょう?

 

あまみず、天水でお茶を入れると美味しいっていうよね。

天水を使わなくなったのは、ビキニ諸島の事故がきっかけっていうけど、本当かねぇ?

 

井戸もね、ふたをしたりなんかして。

 

 

『graffiti in my heart』p14

 

城西幼稚園で著者の幸子さんが講演するっていうから本を納めに行ったわけ。その時に撮った写真。

台風が来るっていって、女先生たちが朝顔の棚を片付けている。

 

2階から見ていたら、女先生たちが、むる揃てぃ、一生懸命こんなにして。

 

 

『graffiti in my heart』p23

 

家の前の、シチナンダビラ(識名坂)の養生工事。
すごい坂道でね、すべらないようにっていう工事。平成24年かねぇ?

 

 

工事の人の帽子がかわいいから撮った。

 

『graffiti in my heart』p21

 

「現場は暑いかねぇ」って思って、

土日は工事の人たちにゴーヤージュースをあげて飲ましていたよ。

緑の飲んでいるでしょ~。

 

こんなに難儀して工事しているのに、このあと雨でぜんぶ流されてしまった。

 

工事のニーセーターは、大雨が降ったらすぐ集まって、

あちこーこーのコールタールをかけていたよ。

 

 

『graffiti in my heart』p58

 

むし。すごいインパクトよね。宮古で撮った。

 

北海道の撮影旅行に持っていって、写真甲子園のストリートギャラリーに展示したら、

「沖縄にはこんな大きいクモがいるの」ってみんな驚くわけ。

 

『graffiti in my heart』p59

 

だけど本当はあんまり大きくない。大きく撮っただけ。ふふふ。

 

よしこさんクモは怖くないけど、あおむしは、びびるね~。むじゅるむじゅるぅして。

小さいころにカイコ飼ってたけど、思い出しただけで、毛ぃぶり立ーちゃーする。ううぅ〜。

 

 

『graffiti in my heart』p6

 

怖いっていえば、これは……さすがのよしこさんでも、さわらきれなかった……。

うごいているかね~って思って。

 

でも、生きていたよ、ちゃんと。ふふふ。

 

 

〈第三回につづきます!

 

 

2014年02月05日

よしこさんは、すごい。【第一回】

 

ボーダーインクの金庫番で、

日々、カメラに情熱を傾けるよしこさん。

写真集が三冊、世に出ています。

 

 

「写真のことは解説したらダメ。

見る人の気持ちに委ねなさいっていうけど、

そぉねぇ〜、じゃあ話してみるかねぇ」

 

 

■□第一回「私は、とことん、バック、バックな人間。」

 

『FLOWERS FALL FRUITS BECOME RIPE』p5

 

これはね、知り合いの明美ちゃんにお祝いあげたから、そのお返しでもらったランの花。

自分のおうちで咲かしきれるかねぇ、ランのつぼみが開くのかねぇって思ったけど、ちゃんと開いたよ。嬉しくて。

 

だけどうしろに洗濯バサミが写っていて邪魔だねぇって思っていたら、先生(よしこさんのカメラの師匠・Yさん)に「生活感があっていい」って言われて、ああそうかねぇって。

これも嬉しかった。

 

 

私はね、なぜか知らないけどソーメン(正面)より後ろ姿が好き!

 

『FLOWERS FALL FRUITS BECOME RIPE』p6、7

 

隣のトンボちゃんも、はずかしそうにしてるのがいいって感じで。

 

 

これは繁多川公園で撮った。ギョッとするねぇ!

クワの葉なんだけど、その隙間にどういうふうに卵を生んだのかねえって思って、

うっけーしげーしー、裏も表も見てね。

 

『FLOWERS FALL FRUITS BECOME RIPE』p9

 

どんなしても自分の棲み家を探すっていうこと、生きるっていうことの生命力。

だけど「気色わるぅ~」とは思うさぁね。ふふふ。

 

よしこさんがびっくりするのは、雑草と落書きと、あとチリ捨て。雑草なんかどんどん生えるでしょう、人間が刈っても刈っても、なーめーめーに。命ってすごいと思うさ~。

落書きする人も道にチリ捨てる人も、どんなにダメって言われても書くし、チリ捨てる人もどんなに言われても捨てる。自分で止められない。

あい、なんの話だったかねぇ~。

 

 

『FLOWERS FALL FRUITS BECOME RIPE』p25

 

これは、超かなしいおもいで。喜屋武岬に撮影に行ったとき、海の白波を撮るつもりが、近くに廃墟があって、入ってみたらそこにあった。なんで遺影がはん投げられているかねぇってさ。ウチャトウもしてありはするけど、かなしかった。だから撮った。

 

翌年も同じ場所に行ったけど、建物がなくなっているのか、見つけられなくてねぇ。さびしくて。

 

 

 

『FLOWERS FALL FRUITS BECOME RIPE』p32

 

この写真は、我が家の……今は亡き……みかんの木。フームシ(カミキリムシ)に食われてしまったさぁ。

 

写っているのは孫のめいが小学校4年の時。

木の前に立たせて長いことあれやこれやポーズ取らせていたら、あとはわじっていた(笑)。

 

『FLOWERS FALL FRUITS BECOME RIPE』p18

 

私は、とことん、バック、バックな人間。

このアヒルちゃんも、よくぞ私のために頑張って後ろ向きでいてくれたねって思う。

人間に慣れているのかねぇ。

 

家の近所にある金城ダムで撮った。

休みの日になったらひっちぃカメラもってあまはいくまはいしているから、

よしこさんのことを家族は完全にあきらめているよ。ふふふ。

 

〈第二回につづきます!

2013年12月13日

ぐりこの手帖

本日12/13~12/15の3日間、宮脇書店南城店にてフェア開催中!

植物関係と御願関係、あとボーダー新書が並んでます。

あのミニチュア重箱セットも久々登場しております

是非、お近くの方はお寄り下さい

 

 

 

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2017年10月18日
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2017年09月12日
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